風力発電 再生可能エネルギーの発展の行く手を阻むもの

まず第一に、政治家たちの再生可能エネルギーに対する無関心でありましょう。

首相のアメリカ訪問での会談の報道をみても、オバマ大統領が就任演説で、環境問題への具体的方策について、再生可能エネルギーに着手する事をはっきりと述べているにも関わらず、首相は環境問題についての具体的な方策、特に再生可能エネルギーについて一切触れていません。

ブッシュは、環境問題よりアメリカ経済を優先するという立場から京都議定書のCO2削減目標の設定には参加しませんでした。

アメリカの大統領はブッシュからオバマに変わりました。

オバマ大統領は環境政策を今の経済危機脱出をめざす一つの重点投資領域である事を明言しています。

アメリカは大きく(CHANGE)変わろうとしてます。しかし日本の首相はエネルギー政策についてよく判らずに、以前と同じスタンスを保ち続けたままです。


日本は具体的にどうやってエネルギー問題を解決するつもりなのでしょうか。・・・恐らくこれまでどうり、官民上げての省エネルギー原子力発電で解決するつもりであるのは間違いありません。


政府の無関心・・・これは同時に国民一人一人の無関心に繋がります。大多数の日本国民は省エネ、エコを唱え電気をぱちんと消して、CO2を排出しない原子力発電に任せておけば地球温暖化は防げると考えています。

ところで、オバマ大統領が経済政策で取り上げた再生可能エネルギー、特に風力発電について考えて見ますと、最も効率よく機能させるためには、年間を通じて安定的な風力に恵まれた地域に設置されなければなりません。(どこでも風力発電が可能なわけではない)


風力発電で考慮されなくてはならない点は
・風況測定で安定的に発電可能な地域を選定すること。
低周波騒音の影響をさける
バードストライク
・風景、景色に影響を及ぼさない
・安定的に電力を供給するためには大規模なものになる
・安定的な風力資源は海洋上になる
・安定的な風力資源は高空にもある

したがって風力発電が実効的に機能する為の理想的な型としては、大規模な海洋上での風力発電ファームと言う事になるでしょう。

しかしこれは個人や民間の力の範疇を遥かに超えた大事業になります。

このことに国民が気がついて政府を動かしてゆかなくてはなりません。

原子爆弾を投下された世界唯一の国である日本の国民は、原子力の強大な威力を世界で最も身にしみて判っている国民です。

遵って日本人にとって、その原子力を平和利用した原子力発電の力強いイメージは信仰にもにて、信頼に値するものです。


しかも地球温暖化に繋がるCO2を、建設時以外はまったく排出しない。そしてほんの僅かな燃料ウラニウムがあればいい。こんな素晴らしいエネルギー源は他にはないと大多数の国民は考えています。

産業のない、財政難にあえぐ地方では、莫大な経済効果をもたらす原子力発電所の建設は大変ありがたい。


志を持って原子力に関わるエンジニアの方々は人間が開発したエネルギーの中で最も強大なエネルギー源をコントロールしている事に大きな満足感を感じておられる事でしょう。


現実的にも原子力発電は国のエネルギー源の一翼を担っており、完全否定はできません。

世界一の再生エネルギー源の開発保有国であるドイツでは新たな原子力発電所の建設は凍結し、原子核融合の開発もコストに見合わないということで開発の凍結をしていますが、現在原子力発電所は何台も稼動しており、さらに送電網を通じてフランスの原子力発電所で発電された電力を購入、使用しております。

しかし建設から解体まで、それに事故があった場合など一連の費用を勘案すると原子力発電は、コスト的に見合わないという結論が出ています。


クリーンではあるが一機ごとには、あまりに微小なエネルギー源である風力発電はそのイメージによって、日本ではあまり発展できないのでしょうか。


遵って固定価格買取り制度の導入や、その性格を活かした使用方法の開発検討が急がれます。