風力発電 日本のアバウトなエネルギー政策

アメリカのブッシュ元大統領は在任中に、環境政策アメリカ経済に影響を与える事を懸念していました。

そして環境問題についてはまったく腰が引けており、京都議定書でのCO2削減目標への参加を拒否しました。


2009年に至り日本では「環境」と「経済」のバランスをいかに図るのかという議論を今やっています。そして「環境」を重視すると「経済」は衰退すると警告しています。これは上記のようにブッシュが何年も前から言っていることです。


そしてブッシュの唱えた環境政策であるバイオエタノールの開発によってブラジルなどはすでに成功し、潤っています。

本日、首相が新経済対策の中で、低炭素社会実現に向けて太陽光発電等を増やす事を述べていました。

しかし、現在アメリカでは太陽光発電は太陽エネルギー利用の第一段階であると言われています。今大きく伸びようとしているのは太陽熱発電であります。


太陽光発電は日が出ているときのみ発電が可能であり、出力も弱く利用効率が比較的低いようです(15〜22%)。これに対し太陽熱発電の利用効率は(20〜40%)にもなります。

しかも日本では再生可能エネルギーの中でも一押しの太陽光発電の発電量は風力発電の僅か5分の1でしかありません。(伸ばすべきは風力発電では?)

「環境」を重視すると「経済」は衰退するなどといっている方々は研究が浅いのか、古い情報で議論しており、最新情報を使っていません。「経済産業省」や「環境省」は自分たちの省庁の狭い縄張り論だけをもって政策を主張しており・・・はっきり言うと地球環境がどんなになろうとも経済成長が鈍化するのはままならんという近視眼的な机上での議論しかできません。

そして現在のアメリカに目を転じるとオバマ大統領は「環境を今の経済危機脱出をめざす一つの重点投資領域にしよう」とまで述べています。


アメリカ国内ではそれに呼応して、再生可能エネルギーの開発が急ピッチで行われています。

・2月12日1300メガワット以上という史上最大のソーラー設備が、ロサンゼルス郊外の砂漠に建設される予定だ。太陽熱発電プラント・メーカーのBrightSource社と、カリフォルニア州の電力会社Southern California Edison(SCE)社との間で新たな契約が交わされたのだ。

・2月23日カリフォルニア州の電力会社である米Pacific Gas & Electric(PG&E)社と、米国全域で事業展開する独立系発電事業者の米NRG Energy社はそれぞれ、500メガワットの太陽発電施設の建設計画を発表した。

・太陽熱発電会社の米Ausra社が、太陽熱発電技術には、米国の電力網が必要とする電力の90%を供給し、さらには多くのプラグイン式電気自動車の電力をまかなえるだけの能力があると主張する研究報告を発表した。

・スペインAbengoa Solar社は、アリゾナ州フェニックスから約110キロメートルの郊外に、発電容量280メガワットの太陽熱発電施設『Solana』を建設する計画を発表している。

これらの動きに対し日本は未だ原子力が国のエネルギー政策の根幹であり再生可能エネルギーは刺身のつま程度の扱いで、逆に経済の足を引っ張るとまで言われています。

日本はこれまで新しいテクノロジーを貪欲に取り入れてきました。ところが・・・・

・中国では、2007年の再生可能エネルギーへの投資額が前年比91%の大幅増となり、インドでも2007年から2012年の間に、風力による発電量が6ギガワット増加する見込みだ。

・2003年末の世界の地熱発電設備容量の合計は8402メガワット。国別首位は米国(2020MW)で、このうち約9割がカリフォルニア州に集中している。米国に次いで発電容量が多いのはフィリピン(1931MW)。フィリピンは国内総発電量の約4分の1を地熱でまかなう「地熱発電大国」といわれる


・全世界に配備された再生可能エネルギー発電施設の発電容量は、大規模な水力発電を除いて2006年時点で207ギガワット(世界全体の発電容量全体に比べると5%程度)にのぼる。そのうち途上国に建設された再生可能エネルギー発電施設の発電能力は88ギガワットで、半分近くを占めていることがわかる。

日本政府は、CO2削減には発展途上諸国の参加が必要と述べてているが、現実には発展途上といわれている国々のほうが再生可能エネルギーに熱心に取り組んでいます。

この調子では再生可能エネルギーばかりでなく、経済発展においても、日本がBRICS諸国等に追い越されてしまうのは時間の問題かもしれません。