風力発電     ドイツ

10年以上に及ぶ議論の末、ドイツは原子力エネルギー利用を廃止することを決めた改正原子力法を2002年4月に施行しました。この法律により新規の原子力発電所建設・操業の許可が禁止され、既存の原子炉についてはドイツ全国の総発電規制値を達成した後(許可後最長32年)に操業許可が消滅することが定められました。ドイツの原子力発電所は今後平均9年弱で閉鎖されることになります。

一方近年、年間およそ1億3000万ユーロ(約169億円)が連邦の予算として核融合研究に充てられています。そして、2050年をめどに最初の民間核融合炉の開発をめざしています。

核融合炉と核分裂の大きな違いは、核融合炉では制御不可能な核臨界が本質的に起こり得ないことです。

ドイツは多くの科学者を輩出し、その優れた科学技術を背景に世界にその素晴らしい工業製品を送り出しています。

そして日本などの強力な競争相手と世界中で其の技術を競っていますが、方や日本は原子力エネルギーを選択して、突き進んでいるときに、ドイツは再生可能エネルギー、特に風力発電を選択しました。

一般の日本人はこれを殆ど認識していませんが、ドイツは世界一の風力の発電量を誇ります。

原子力を選択せずにドイツの工業が成り立っているのは、ドイツがヨーロッパの中心に位置し、国境を越えて繋がっている電力線があるおかげ、フランスの原子力発電によってこれが可能になっている。と言われる方もいます。

しかし、あのボンネットの上にスリーポインテッドスター(まるで風車の様ですね)マークを持つ車を生産している彼の国は風力発電をエネルギーのにする事を選択しているのです。

あまりに先端的な発想の彼の国に対し、原子爆弾の惨禍を受け、其の危険さを一番強く認識していながら、臨界事故という原爆の爆発にも匹敵する事故を繰り返し起こしながら、その報告義務(特に地域の住民への緊急報告)を怠って平然としている電力会社を持つ国には、こんな発想は無理かもしれませんね。