固定価格買取制度

         


固定価格買取制度を導入している国は、ドイツ、デンマーク、スペイン、オーストリア、オランダ、ポルトガルギリシャチェコスロバキアハンガリー、フランス(設備容量 12MW 以下)、中国 他である。

このうちドイツ、デンマーク、スペインは、風境、地理、科学技術水準などは他と同程度でも、風力発電の急速な普及拡大に成功していると言われる国々である。そしてこの3カ国だけで世界全体の風力発電量の3分の2を占めている。そしてこれら普及に成功しているいずれの国も固定価格買取制度を導入していることは注目に値する。

世界全体の風力発電機市場について、これら3カ国の風力発電産業が、ほとんど独占しており、経済的にもメリットをもたらしている。

固定価格(minimum price または feed-in tariff)制では電力会社に電力の買い取りを義務付けるほか、購入価格をも法的に保証することによって発電事業者の負うリスクを減らす。市場原理に従って導入量を早期に拡大する一方で、後になって設置した事業者ほど購入価格を逓減させることで総コストを調整し、また機器製造事業者間での競争を促す。


固定価格買取制度のスペインにおいて、これまで経済的に立ち遅れていた北西部のガリシア地方では、現在3,000以上の風力タービンが建てられ、地域のエネルギーの20%以上をまかなっています。3年のうちに、発電量を2倍にする計画です。風力発電の開発は、公害のないクリーンなエネルギーを供給するだけでなく、過疎化の進んでいた漁村や農村に新しい職をもたらしました。若者がこの地方に戻るきっかけにもなっています。