RPS法について

           
             アメリカ テハチャピ風力発電施設

RPS法を導入している国は、イギリス、イタリア、ベルギー、スウェーデン、オーストラリア、米国13州(テキサス、カリフォルニア州他)日本他である。

これらの国々は風力発電の普及に関して成功している国々と同等以上の有利な物理的条件に恵まれているにも関わらず風力発電の普及があまり進んでいない。これは政策的な要因(RPS法)に起因している。

日本におけるRPS法は、2002年、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」が策定され、翌2003年から施行された。この法律によって作られた制度は、通称RPS制度と呼ばれる。RPSとは、Renewable Portfolio Standardの頭文字で、「代替エネルギー使用割合の基準」を指すが、「再生可能エネルギー基準」とも訳される。代替エネルギー再生可能エネルギーとは、一般に自然エネルギーとも新エネルギーとも呼ばれる。同法の対象となる新エネルギーは、風力、太陽光他の6種類である。電気事業者には、毎年度、その販売電力量に応じて一定割合以上の新エネルギーから発電される電気(新エネルギー等電気)の利用を義務付け、新エネルギーの一層の普及促進を図る。

日本の現行制度(RPS法)は、電力会社に一定比率での導入を義務付ける方式であり、固定枠(quotaまたはgreen certificate trading)制に分類される。この方式は導入初期には一定の効果を示すが、これまでの各国での実績より、発電事業者側のリスクが高く、実質的な発電コストの削減効果も低いなど様々な欠点が指摘されている。

このため風況が良いとされるイギリスなどでも普及が進まず、コストも高止まりするなど、結果的に初期の目的を達成できていない。また日本の現行制度下では電力会社は既存の電源を優先して導入に消極的な姿勢も見せており(委員会の議事録例)、事業者の参入機会が電力会社が設定した枠や不定期な入札によって制限される例も見られる。