2010年風力発電の目標値1.35%


2010年における日本の「新エネルギー等」の目標値は、300万Kwであり、その時点に予想される全発電量のなんと1.35%になります。(今年1月29日に、経済産業省の新エネRPS法小委員会が新しい目標値(案)を公表しました。2014年の時点で、160億キロワット、「1.63%」)


日本の国家政策としての「新エネルギー等」(風力発電)の位置付け(扱い)を見ると、昨年、経産省の提示した、新・国家エネルギー戦略(中間とりまとめ)にありますが、原子力政策が主で、新エネルギーについては多少触れているのみで、目標値については、まったく述べられていませんでした。


資源エネルギー庁のRPS管理システムのHPを見ると、(平成18年度案)「RPS法評価検討小委員会・報告書」 に、以前とまったく同じ「目標値」 “1.35%” が、書かれています。(平成14年11月経産省 総合エネルギー調査会 新エネルギー部会で答申された、2010年における新エネルギーの目標値1.35% :122億Kwh)これはエネルギー政策が、単なる机上の戦略である事にに他なりません。(本当に地球規模での環境対策を視野にいれて判断しているんでしょうか。)


上記HPにはドイツやデンマーク等ヨーロッパの現状や新エネルギーの目標値の資料が、調査結果として掲載されております。こんなことは当然調査済みで、日本は違うのです日本は我が道をいくのですというスタンスです。


確かにドイツやデンマークの導入している新エネルギーの制度は日本と違います。(固定価格買取制度)しかし欧米でも日本と同じ制度(RPS法)を導入しているイギリスの目標値は、10.4%スウェーデンでは16.9%と、新エネルギーに対し、(お題目でない、達成経路が計算されている)高い目標を掲げています。


これはなぜでしょうか、

下記に気温上昇幅の違いによる予測される影響を述べます。

・気温上昇幅1℃以下;脆弱な生態系に対する影響は、気温上昇幅が1℃であっても一部で健在化する可能性が大きい。しかし今後の世界の人口動態・経済成長等を勘案すると、気温上昇幅を1℃以下に抑制する事は現実的には極めて困難であると考えられる。

・気温上昇幅2℃以下;気温上昇幅が2〜3℃になると地球規模で環境への悪影響が健在化することが指摘されている。したがって、気温上昇幅を2℃以下に抑制する事は、地球規模での環境への悪影響の顕在化を未然防止することになる。また悪影響の規模は、およそ2℃程度で急激に上昇するという研究結果も示されており、悪影響の大規模な拡大を効果的に防ぐ観点からも2℃には一定の意味が認められる。

・気温上昇幅3℃以上;気温上昇が3℃を超えると、気候システムの安定性を保つレベルを越え、海洋大循環の停止などが生じる可能性が高まるとの研究結果もある。このレベルを超えれば地球規模で激甚かつ不可逆な環境への悪影響が生じるリスクが高まるため、その超過は避けなければならない。

以上のような科学的知見を踏まえれば、気温上昇の抑制幅を2℃とする考え方は、エネルギー政策の長期目標の検討の出発点となりうると考えられる。


上記のように欧米では深刻な温暖化影響に対する強い危機感を持ち、これに我々が現状持っている科学技術で実際なにができるのか、数値的に判断し、そして政策において対処目標値を決めて、真剣に実行しようとしています。


これに対し日本は原子力で対処しようとする方針を掲げています。確かにCO2の排出は火力発電などに対し抑えられるのかもしれません。しかしこれは最先端の考え方ではありません。いうなれば世界の趨勢から道を逸れた時代遅れの考え方です。


日本は、江戸時代まで築き上げてきた、緑深き自然に溶け込む文明を投げ打って鎖国を解き、欧米の文明を取り入れ、文明開化、そして同じように産業革命の道を歩んできました。

現代となり、日本は最先端の科学技術を元にした考え方から離れ、また独自の道を歩もうとするのでしょうか。常に世界の趨勢にアンテナを張り巡らせ、最先端の考え方をキャッチして政策を決定して行くべきではないでしょうか。

地球温暖化が叫ばれ、ボツワナの状況ばかりでなく、私たちも(暖冬など)身近にこれを実感し、もう選択に多くの時間を割いている場合ではないのですから。


 環境悪化の現況を考えてみると、中国では、資本主義的変貌をとげ、風力による発電量は日本を抜きましたが、工場の煙突からはモウモウと煙を吐き、産業廃棄物は川に垂れ流し、大量に増えた自動車から排気ガス(CO2)を大気中に撒き散らしています。


公害に厳しい日本はまだマシかなとも思いますが。安価な労働力ばかりあてにして中国に進出し、日本が辿って来た環境悪化、公害汚染の道をまた中国に歩ませるのはどうかと思います。


 ドイツのBMW、日本ではマツダが、水素エンジンの開発を進めています。風力発電の電力で水を電気分解し、水素を発生させて、地球上の自動車のエンジンの燃料や、火力発電所のボイラーの燃料を水素にするだけでCO2の発生は激減させることができるでしょう。
(ただし空気を使用するため燃焼時に窒素酸化物 (NOx) が発生することは避けられない)

 6カ国協議の結果、北朝鮮重油を援助し劣悪なボイラーで排気ガスの垂れ流しをされるより、風力発電施設の援助をすることにより核の脅威もなくせます。


ペリーが当時の最先端技術である黒船を江戸湾に持ち込んだように、世界の潮流から遅れている全体主義国家にエネルギー援助をするなら、環境負荷の低い現代の最先端技術「風力発電」システムを用いてエネルギー支援をすることを提案致します。
(米国の研究団体、ノーチラス研究所の協力により、平安南道温泉郡に風力発電機7基を設置しています。)


日本において発電を、原子力から風力に置き換えるとしたら、現状の原子力発電と同じ出力を得るには、原子力発電所55基分として乱暴ですが、風力発電機が、およそ5万5千基必用となります。これの製造と設置工事等考えてみると、一大産業の出現となるでしょう。
 
新技術の確立、新産業の立ち上げは大量の雇用創出そして経済の活性化に繋がります。


デンマーク・・原子力発電をやめ、風力発電を取り入れている最先端の国を日本は見習うべきです。世界一の風力発電機生産会社(ヴェスタス社)を持つこの国では風力発電産業で大きな雇用を確保しています。

勿論この国は全発電量の16%風力発電で賄っています。(2006年度)
また、供給電力の50%を風力にすることを国家の目標としています。


日本は2010年までに1.35%ですよ。