風力発電 仮にCO2が温暖化の原因ではなかったとしても

スリーマイル島原子力発電所事故(1979.3)やチェルノブイリ原子力発電所事故(1986.4)などの影響で、アメリカやヨーロッパなどでは新規の原子力発電所建設の凍結《実際には1973年に発生した第一次石油危機以降の建設費の高騰のため、アメリカでは1974年以降原子力発電の開発はストップしている。原子力発電のコストが、石炭火力発電のコストより高くなったためである。この年に建設を予定されていた原子炉は74基(うち着工済みは28基)あったが、すべて中止された》をするなど、これまで原発開発には、逆風が吹いていました。

しかし、温暖化の原因とされるCO2を排出しないことから、最近、再び原子力発電が見直されています。

そして、これまで数々の原発事故にもめげず開発を続けてきた日本の最新技術が、最近アメリカなどで採用され脚光を浴びています。

日本の有識者らで構成する「地球を考える会」は、福田首相原子力発電などで世界に貢献をするよう提言しています。


しかし原子力による発電はそんなに安全で優れたものなのでしょうか。

原子力エネルギーは石油エネルギーと同じように、地球の限られた資源の消費であり、ウラニウムもいつかは枯渇してしまう運命にあります。

しかも原子力発電はエネルギーの変換効率が低く、7割ものエネルギーが、冷却の為海水や大気を暖める温排水として捨てられてしまう、大変劣った発電方法なのです。

さらに核分裂により発生する放射能は、何度も述べているように人類に対する害毒であります。本当に原子力発電のどこが優れているというのでしょうか。
(私は原子力エネルギーは宇宙空間で使用されるべきものであると考えます。)


 ところで、ドイツ政府の自然エネルギーに対する投資額なんですが、年間116億ユーロ(約2兆円)だそうです。なんかどこかで聞いたような金額ですね。

そうです、日本政府が景気浮揚対策と称して選挙対策の為に国民にばら撒こうとしている定額給付金の総額です。

2兆円という大きな金も国民一人一人にばら撒けば、1万数千円にしかなりません。ちょっと居酒屋で飲んでしまえば、(高級ホテルのバーで飲むには足りない金額かも)1回か2回で消えてしまう金額にしか過ぎません。


ずいぶん落差のある話ですが、大恐慌の時にアメリカのルーズベルト大統領が、ニューディール政策の一環として実施したことで有名ですが、32もの多目的ダムの建設で、水力発電の開発を行いました。このような歴史に学び、景気対策として自然エネルギー開発(再生可能エネルギー)への投資をしたら如何なものでしょうか。{最近日本政府はこの意見と真っ向から対立するような政策態度・・太陽光や風力などの利用拡大をめざして、来月発足する国際再生可能エネルギー機関(IRENA)に参加しない方針・・を固めようとしています。}


地球資源の枯渇を招き、時には害毒となる原子力発電などではなく、仮にCO2が温暖化の原因ではなかったとしても再生可能エネルギーの開発は、我々の未来に希望の持てる(これが重要!)投資であります。

そしてそれが、新しい産業の育成に繋がることによって、これまで自動車産業が日本経済の原動力として屋台骨を支えてきたのに替わり、新しい産業の軸となって、日本経済牽引の原動力となり、まやかしでない本当の景気対策として機能すれば、現在の雇用問題など一気に解決してしまう事でしょう。

(ドイツでは再生可能エネルギー関連の産業の発展が大きな雇用を生み出しています。)