風力発電  日本の鈍感力?

『風の惑星』というSF映画がありました。『スターウォーズ』のマーク・ハミルが主演していました。

大規模な環境汚染により文明が滅亡した地球で、人々は荒廃から立ち上がり、小さな共同体を作って新たな生活を送っていた。荒廃し、風の吹きすさぶ地球では、長距離の移動手段として大気中の気流(スリップストリーム)に乗って滑空するグライダー(エアクラフト)を使用していた。

これを前提に物語が始まります。

地球の未来を予測して描かれたSF映画でした。

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スリーマイル島チェルノブイリの事故にヨーロッパは敏感に反応し、例えばドイツは原子力発電を凍結しました。北欧の国々も次々と凍結しています。

一方日本は広島、長崎において世界で唯一原子爆弾の洗礼を受けているにも関わらず、原子力発電は原子力の平和利用であるという信仰にしがみつき、2つの事故を対岸の火事と決め込んでいます。

現在も原子力立国計画の見直しもなく柏崎刈羽原発の被震にもめげず、プルサーマル計画を推し進め、まだまだ地球温暖化に対処するため原子力発電所を増やしてゆく構えです。

再三全世界で叫ばれている地球温暖化に対しても、欧米各国が再生可能エネルギーに本気で取り組んでいるにもかかわらず、日本では表面を取り繕うことで対応しようとしています。

ドイツでは環境問題に主軸を置く緑の党が政権を握り、世界一の風力及び太陽エネルギーでの発電量という実績をあげています。

 日本では、九州大学が研究しその構想を明らかにしている、『浮体式洋上風力発電』について、社民党がネット上で僅かにエールを贈っている程度です。

日本政府の科学的に鈍感な面を感じます。

以前、栃木県で日常的に仲間に暴行を受けている青年の父親が、再三警察にその事を訴え続けたにもかかわらず、警察はその仲間たちの言葉を信じ、単なる仲間内の喧嘩だと決め付けて、父親の訴えにまったく耳を貸さず、ついにその青年が亡くなってしまってから初めて、これは何らかの事件ではないかと捜査を始めた。という事がありました。

なんという鈍感さでしょうか。

 刻々と変化している状況に、過去の前例を当てはめ、固定化した観念で判断し対処していくお役所仕事、官僚主義の典型を感じます。

過去の前例にない風力発電について、民間も利権がない為、(政府の方針と理解がないため予算が着かず利権も生まれない)あまり積極的に取り組んではいません。

確かに官僚主義は現在の日本に繁栄をもたらしました。

しかしこの繁栄を謳歌しているはずの現在、若者が未来に希望をもてない社会をもたらしています。


官僚主義で環境問題に対処して、何時までも鈍感力を決め込んでなにもしないでいるうちに、、、まさに『風の惑星』の状況が目に浮かんできます。

・・・大規模な環境汚染により文明が滅亡し、荒廃し、風の吹きすさぶ地球では、長距離の移動手段として、大気中の気流(スリップストリーム)に乗って滑空するグライダーを使用するようになっていた。・・・


ここで初めて風力のことに気がつくのでしょうか。


まあ文明が滅亡して官僚主義も無くなっているからなんでしょうが。