風力発電 現状が分かっていながら何の具体策も実行しないの?


 風力や太陽光発電などの新エネルギーの導入が遅れているため、現在の我が国の温室効果ガスの削減計画(08〜12年度に90年度比で6%減)を達成するには1000万トンの削減不足が生じることが判っています。

 環境大臣温室効果ガスの削減実行計画の中で「チームマイナス6%」を立ち上げ、削減目標をクリアする為、『風呂敷の採用』と、『クールビズ』を提唱しました。


ところで、第二次世界大戦の終盤当時、日本軍は、上陸して来るであろうアメリカ軍に対し、国民に『竹やり訓練』を提唱し、実行しました。



 巨大なガソリンエンジンにオートマチックのトランスミッションを装備した戦車で上陸してくるであろうアメリカ軍に対し、日本軍は竹を削った竹やりを振りかざし、大和魂で突っ込む訓練をしていたのです。


この考え方は、世界第2位の経済大国となった、現在の日本の政府の発想に脈脈と受け継がれています。


なんとも心細い話ではないでしょうか。しかも政府、経済産業省の外局である資源エネルギー庁の掲げる「原子力立国計画」(目標とする稼働率向上どころではない事故続きの原発の実態を無視して立てられている計画)にあるように、原子力発電で、6%のCO2削減目標を軽々とクリアできると本気で考えているようです。


 もともと日本の原子力事業には政界やマスコミの大物が、その発端から関わっていました。(中曽根康弘氏は、1954年3月日本の国会に初めて「原子力予算」を提出し成立させる。正力松太郎にこの頃近づき、正力派結成の参謀格として走り回る。共に政界における原発推進の両軸となる。)読売新聞の論調を見ればよく判ります。しかも多くのエリートが、原発事業に関わっています。なかなか原発をセーブできない理由が、ここにありそうです。


日本は世界有数の地震大国です。中越沖地震で、黒煙をあげて燃える柏崎刈羽原発の映像を見て、日本の原子力発電所が、大気中に放射能をばら撒いている。と、世界中の人々は本気で恐れました。


実際は放射能漏れは僅かであり、この風評は打ち消されましたが、世界有数の地震大国が、原子力立国計画をぶち上げて、原子力発電で、放射能を振り撒きながらCO2を削減しよう。などと言う事はなんと浅薄な考え方でありましょうか。


 このように、何の実効性ある方策も実行しないまま洞爺湖サミットを向かえ、日本政府は、議長国として何を発言するつもりなのでしょうか。


環境大臣がツバルを忘れないのは結構ですが、日本のCO2の削減の方法が、実は大和魂と「竹やり」である事が全世界にバレたら大変な事になりますよ。


これに対し、ヨーロッパや中国、インド、アメリカ(カリフォルニア州が主ですが)さえも地球温暖化に対し、本気で新エネルギーの導入に取り組んでいます。

CO2を削減するふりでなく、精神論ばかりではなく、今現在一番実効性があると考えられている再生可能エネルギー風力発電』に真正面から本気で取り組んでいるのです。

日本は世界有数のハイブリッド車、そしてLEDの生産国であります。また有機EL照明の開発にも取り組んでいます。そしてこれらは有力な省エネの力にはなるでしょう。しかし、地球温暖化に真っ向から立ち向かう風力発電機については少量生産国に甘んじています。

そしてCO2の削減目標に対し、原子力発電は、まさに古典的なアプローチなのです。日本は最新技術でのアプローチをなぜしようとしないのでしょうか。
(原子力発電は核分裂によって発生する熱エネルギーによるスチームで発電します。核分裂によるエネルギーのほんの一部を使用しているに過ぎません。技術と金の殆どが放射能の防御・・安全の為に注がれます。そしてさらに、冷却の為に使われて、温水となった海水は海に捨てられ、海の温暖化に一役買っているのです。)

kurohuneの考え方:原発は長期的には凍結そして最終的に全廃すべきと考えます。しかし現状では即時全廃は不可能でしょう。(但し活断層上にある原発は直ちに停止すべきですが)

現状我が国のエネルギー政策は、地球温暖化防止、CO2削減の掛け声を追い風に、安易に原子力発電に注目が行き、「原子力立国計画」を強く推し進めようという考え方に傾きつつあります。

しかしエネルギー政策として、日本のように資源のない国は、国家の安全保障上、あまりにひとつのエネルギー源に偏るのは良くありません。しかもエネルギーを石油に頼る日本は米国追従政策がみえみえです。

日本としては、水力、風力、その他再生可能エネルギー、そして原子力と、なるべく等分のバランスに分散してゆくべきが妥当と考えられます。現在のあまりに原子力に偏重した国のエネルギー政策はおかしいと考えます。