風力発電 各国の温暖化への積極的な対応に遅れを取っている日本

[東京 28日 ロイター] 三菱重工業は28日、中国の風力発電事業に参入すると発表した。中国の電力会社、寧夏発電集団傘下の呉忠儀表股分有限公司に対し、1000KW風車「MWT-1000A」の製造技術を供与する。
 「MWT-1000A」は世界で700基以上が運転をしている。
 中国の風力発電累積導入量は、2006年末で258万8000KW、世界第6位の水準。06年で133万KWの新規導入だが、2010年に500万KW、2020年に3000万KWにする目標を掲げている。

 ドイツのハイリンゲンダムで開かれるサミットを控え、参加各国の温暖化への対応において足並みがそろわず、ホスト国のドイツも調整に苦慮しています。

各国ともに、様々な国内の事情を抱えていながら、アプローチの違いはありますが、CO2削減温暖化対策に真剣に取り組んでいます。

・中国について、地球の大気を一番汚染していると槍玉に挙がっていますが、北京オリンピックを控え、現在盛んに稼動している石炭などの火力発電から、CO2削減効果のある原子力や、今一番脚光を浴びている風力発電にシフトしつつあります。

特に風力発電の拡大は急ピッチで、発電量ではすでに日本を抜き去り欧米の水準にステップアップを図ろうとしています。

アメリカでは政府の対応はいまいち曖昧で、景気の足を引っ張るような温暖化対策には警戒感を示していますが、民間では(政府のスマートな法整備も手伝って)風力発電などの採用に積極的で、政府が、民間のしりを叩くというような姿勢ではなく景気浮揚を念頭におきながら温暖化対策に取り組んで行くというスタンスです。

風力発電機を日本から788機も購入すると言うのもそれを態度で示しています。

法整備においてRPS法を13州において採用していますが、運用面において明らかに日本と異なっています。

カリフォルニア州は RPS 法を導入し、電力事業者に対して 2017 年までに 20%の再生可能エネルギー電力購入を義務ずけています。

テハチャピの原野に林立する風力発電機は壮観です。日本のマスコミはまったく取り上げていませんが、北朝鮮のように国民が情報から目隠しをされているわけではないのにどうしてでしょうか。あまりの凄さに国民に衝撃と誤解を与えない為の配慮でしょうか。

日本のように山の上で風力発電機がポツンと1〜2機回っている風景からはまったく想像を絶する風景です。(日本では未だに風力発電はエコのモニュメントとしてのイメージが一般的です。)

・ヨーロッパでは、特にサミットのホスト国ドイツでは原子力を凍結し、世界一の風力発電採用国として、再生可能エネルギーの拡大発展に力を注いでいます。ユーロ高を見ても判るようにその先見性の高さに世界が注目し、強いヨーロッパの牽引役として期待を集めています。

デンマークやスペイン、イタリアをはじめ日本と同じRPS制度のイギリスも風力発電の普及に力がはいっており、現在も拡大の方向にあります。

フランスは世界一の原子力発電の採用国であり、独自の路線を採っていますが、固定価格制であり、景観論争に決着がつけば今後風力発電の伸びも期待できます。

・日本は京都議定書のCO2削減率も達成できず、国内問題の混乱と円安でも判るように今までの勢いを失いつつあります。

アメリカのようにエネルギーの大量消費をせず、政府主導で、消費を抑え、節約術に長けています。

そしてアメリカの風力発電のように、積極的にエネルギーを起こしながらCO2を削減しようという方向にはありません。

『しかし本当は国民は、パチンコ屋でエアコンの温度調整なんかして欲しくないんです。車はガンガン飛ばしたいんです。風力発電でバンバン発電して、水素エンジンで思いっきり走りたいんです。「チームマイナス6%」なんて参加したくないんです。』


また、RPS法も、当初の期待を裏切って、うまく機能せず、風力発電の伸びようとする勢いの足を引っ張るような形で機能してしまっています。

日本では温暖化対策が、政府が権力を振り回す為の道具ととなってしまっています。そしてCO2の削減方法は、既存の原子力発電の拡大をその方針として温存しており、世界の潮流からかけ離れた見識をもって、各国の再生可能エネルギーの積極的な採用による、温暖化への対応という流れに遅れを取る形となりつつあります。


報道機関はハイリンゲンダムサミットを契機に、長き眠りから覚め、ドイツなどが主張する、再生可能エネルギーの採用という世界の潮流について報道すべきです。

政府の方針に抗うというイデオロギーの世界でなく、リアルな世界の現実の姿を、(デンマークの洋上ウインドファーム、世界一のドイツの風力発電カリフォルニア州風力発電の林立する様)映像で報道すべきです。

ジャーナリストならデビッド・ハルバースタムの著書をお読みでしょうが、政治家以上の見識を持って政治家の間違いを指摘するべきです。

ジャーナリズムは国民を啓蒙し、その意識を喚起するべきです。

大本営発表のお言葉をそのまま伝えるのではなく、事実の歴史的背景を解き明かし、
リアルな世界の情勢を伝えるべきです。

日本のマスコミは、国家の行く末について見識を持った議員を評価し、選択するのではなく、一票の為にタレントを担ぎ上げて、まんまと国会議員にしたてあげてゆくような某政党のお手伝いとして、タレント議員の製造係として機能するのでは寂しいんじゃないですか。

日本の歴史を変えた、江戸湾に現れた黒船を瓦版のトップ記事として取り上げるような見識を持ったら如何ですか。


この度再選を果たした東京都知事は、多数の都民の支持を受けながら国に迎合せず、厳しい環境政策を打ち出しました。寝ぼけてはいません、しっかり起きていますよ。