風力発電 日本の洋上ウインドファームの可能性

現状の日本における風力発電の開発は、多くても10〜20機程度の、山林や景観を破壊するような中途半端な開発が主であり、出力が小さくて、イメージとして、エコパワーのモニュメント的な役割を果しているに過ぎません。


 現在風力発電の先進国デンマークやドイツでは大規模な洋上ウインドファームが開発の主流です。また、広大な国土を持ち、大規模開発を行っているアメリカでさえも、洋上での開発が計画されています。日本と同じRPS制度のイギリスも海上発電に積極的な姿勢で開発を進めています。固定買取制度の中国は、発電量で日本をすでに越えていますが、洋上ファームの建設を開始しました。

世界の潮流が大規模な洋上ウインドファームに向かっている時、日本では数機程度の発電機で山林を破壊する中途半端な開発を進めており、近隣住民に騒音被害を与え、さらに未だに時代遅れの景観論争をしています。

現在日本で洋上ウインドファームの研究機関は東京大学が進んでいます。企業で研究開発を表明しているのは鹿島建設五洋建設などです。

これは将来を見越してのことでしょうが、欧米や中国では現行の計画なのです。

日本は原子力開発でCO2を減らして行く方針ですが、以前にも述べましたが、原子力はその安全性を補償する為に、緊急停止時のバックアップとして火力発電を必要としております。原子力発電の稼動によりCO2を必然的に排出してしまうのです。

そして肝心のウラニウムの供給ですが、2次供給(ロシアの核兵器解体など)は近々(10年以内)供給停止を迎えます。そして1次供給(鉱山よりの採掘による)は30年以内に枯渇する見通しです。

石油の例を見ても判るように、ウラニウム争奪による、きな臭いにおいが立ち込めています。近年の武装紛争の4分の1は天然資源がらみと言われている事実もあります。

現在日本はウラニウムの世界全体の供給の5分の1近くを消費していますが、ここに中国やインド、イランなどが乗り出して来て、さらに需要増が見込まれるわけですから、世界第二位の供給国カザフスタンとの供給協定も、はたして安心してその供給が確保されるるのか疑問に思われます。

勿論石油の例を見るまでもなく、暴騰によるコストアップも容易に予見されます。

海を渡る風力や偏西風など、常に吹き続けるウインドパワーは人間の営みにおいて無限です。なんでこれを利用しない手はあるのでしょうか。なんで人類に対し毒性を持つ放射能を発する核分裂の利用などを政府は容認するのでしょうか。



日本では風力の海上開発をタブー視しているのか、そこまで考えが及ばないのか、あまりに遅れているように思います。